三峰神社に家族で参拝してわかった、石段が「思ったより楽」だった理由

  • #体験談
  • #石段

埼玉県秩父市、雲海に浮かぶような山奥にひっそりと鎮座する三峰神社。関東屈指のパワースポットとして名前だけは聞いたことがある、という人も多いんじゃないでしょうか?先日、ついに家族で参拝してきました!

三峰神社は、日本武尊(やまとたけるのみこと)が創建したと伝わる、由緒ある山岳信仰の神社。秩父三社のひとつに数えられていて、東国平定の途中、山中で霧に迷った日本武尊がオオカミに導かれて霧が晴れた、という伝説から、「お犬様」信仰でも知られています。江戸時代には火防・盗賊除けの守り神として、関東一円で広く信仰を集めていたそうです。

1,102m

三峰神社が鎮座する標高

標高1,100mを超える山の上にあるので、参拝のメインルートはズバリ車。かつては麓からロープウェイもあったそうですが、今は廃止されていて、山道をひたすら車で登っていくのが基本的なアクセス方法になっています(路線バスもありますが、本数はかなり少なめです)。「気軽に行ける神社」というよりは、「ちょっとした小旅行のつもりで行く神社」というのが実際のところかもしれません。

条件が揃うと雲海が見られることでも知られていて、写真好きの間でも人気のスポットだそうです。今回はそこまでの絶景にはめぐり会えませんでしたが、それでも十分すぎるくらい、山の上ならではの景色を楽しめました。

山道ドライブの先に待っていたもの

今回は家族総出で、朝から車を走らせて三峰神社へ。秩父の市街地を抜けたあたりから、道はどんどん山道らしくなっていって、カーブが続く一本道をひたすら登っていきます。「まだ着かないの?」と後部座席から声が上がるくらい、思っていたよりも長い道のりでした。対向車とのすれ違いにちょっとドキドキする場面もありましたが、なんとか無事に到着!

車を降りた瞬間、ひんやりとした山の空気が気持ちよくて、思わず深呼吸。駐車場から拝殿までの参道を歩き始めると、大きな杉の木々の間から差し込む木漏れ日が本当に気持ちよくて〜。足元には苔むした古い石段が続いていて、空気も澄んでいて、「山の上まで来た甲斐があったなあ」としみじみ感じました。

途中には、江戸時代に建てられたという随身門も。高さ16mもあるそうで、見上げるとかなりの迫力です。「こんな山の上にこんな立派な門を建てたんだ…」と、家族みんなで感心しながら通り抜けました。

参道には石段や坂道もあるのですが、いざ歩いてみると「あれ、思ったより全然しんどくない…?」というのが正直な感想でした。事前に「山道だし、結構体力を使うかも」と身構えていた分、拍子抜けするくらい楽に感じたんです。もちろん多少の運動にはなりましたが、息が上がるほどでもなく、家族みんな最後まで余裕を持って歩き切れました。普段はすぐに「疲れた」と言い出す家族も、この日は最後まで会話をしながら歩けていたのが印象的でした。

なぜ「思ったより楽」に感じたのか

整形外科クリニックで働いていた頃、高齢の患者様から「階段や坂道が怖い」という相談を数多く受けてきました。そうした経験も踏まえつつ、この「思ったより楽だった」という感覚は、理学療法士の視点で見ると、いくつかの理由で説明がつきます。

歩行や階段昇降がしんどいと感じるかどうかは、単純な距離や段数だけでなく、路面や段差の条件によって大きく変わります。三峰神社の参道を振り返ると、体感的な負担が少なく感じられる条件がいくつか揃っていたと考えられます。

一つ目は、勾配が比較的緩やかだったことです。急な傾斜を登るときは、体を持ち上げるために太もも(大腿四頭筋)や殿部の筋肉に大きな負荷がかかりますが、緩やかな傾斜であれば、一歩ごとに必要な筋力は小さくて済みます。

二つ目は、段差の高さが比較的一定に保たれていたことです。歩行は本来、左右の脚が一定のリズムで交互に動く周期的な運動です。段差の高さが不揃いだと、その都度歩幅や脚を持ち上げる高さを調整する必要があり、余分な筋力や注意力を使うことになります。逆に段差が一定であれば、体は同じ動作パターンを繰り返すだけで済むため、歩行のリズムが崩れにくく、体感的な負担も小さくなります。

三つ目は、足場がしっかりしていたことです。石畳や石段は表面が平らに整備されていて滑りにくいため、不整地を歩くときのようにバランスを取るための余計な力みが起きにくいという条件も揃っていました。

四つ目は、体感的な負担そのものに関わる話です。運動のきつさというのは、実際の身体的な負荷だけでなく、気温や湿度、景色といった環境要因によっても左右されると言われています。杉並木の木陰で気温が抑えられていたこと、木漏れ日や澄んだ空気といった快適な環境の中を歩けたことも、「思ったよりつらくない」という体感につながっていた可能性があります。

もちろん、体力には個人差があります。今回「思ったより楽」に感じたのは、こうした地形的な条件に加えて、家族それぞれの体力や歩き慣れも影響しているはずです。とはいえ、山道の参拝が身構えるほどハードではない場所もある、ということは知っておいて損はないと思います。

膝・体への負担を減らす歩き方のコツ

とはいえ、石段や坂道である以上、多少なりとも膝や脚への負担はかかります。条件が良い参道でも、負担そのものがゼロになるわけではありません。ここで、負担を減らすための歩き方のポイントを紹介します。

① 歩幅を狭くする

大股で登り降りしようとすると、1歩ごとの負荷が大きくなります。特に下り区間では、歩幅を小さくするだけで着地の衝撃をぐっと減らせます。「小さい歩幅でリズムよく」を意識するだけでも、体感的な楽さがかなり変わってきます。

② 膝が内側に入らないようにする

段差を昇り降りするとき、太ももや股関節まわりの筋力がうまく使えないと、膝が内側に入り込む代償動作が出やすくなります。これが続くと膝関節の一部に負担が集中しやすくなるため、つま先と膝の向きを揃えることを意識してみてください。鏡のない屋外では気づきにくい部分なので、家族同士で見合ってチェックするのもおすすめです。

③ 下りは特に慎重に

登りよりも下りの方が、膝にとっては負担の大きい動きです。当日の登りが「思ったより楽」だったとしても、下りで気を抜かず、ゆっくりめのペースを保つようにしましょう。登り切った達成感で気が緩みがちなタイミングだからこそ、あえて意識したいポイントです。

④ 呼吸を止めない

勾配のある道を歩くとき、無意識に呼吸を止めてしまう人は多いです。呼吸を止めると体幹に余計な力みが入りやすくなるので、鼻から吸って口から吐く、を意識してみてください。会話をしながら歩けるくらいのペースを保てていれば、呼吸も自然と止まりにくくなります。

⑤ しんどくなる前に休む

「まだ大丈夫」と思っているうちに、腰を下ろせる場所を見つけて小まめに休憩を挟んでおくと、後半になって急に脚が重くなる、という事態を防ぎやすくなります。特に体力に不安がある方や、ご高齢の家族と一緒の場合は、休憩のペースを事前に決めておくと安心です。

参拝時の注意点:狙い目は朝早め

最後に、これから三峰神社へ行く方に向けて実用的なアドバイスをひとつ。

三峰神社は、朝早めに出発するのが本当におすすめです!駐車場の開場は朝8時からで、この時間に合わせて到着できると、並ばずにスムーズに入庫できます。逆にお昼近くになると、山道の一本道が渋滞でびっしり…なんてこともあるようなので要注意です。特に初詣シーズンや紅葉シーズン、週末は混雑しやすいと言われているので、時期によってはより早めの行動を意識した方がよさそうです。

無事に参拝を終えたあとは、御朱印をいただいて帰りました。せっかく山の上まで来たので、御朱印帳を持っていくのを忘れずに、というのは我が家の反省点でもあります(当日、車に忘れてきて慌てて取りに戻りました…)。

それと、実はこの日、山道の運転自体もなかなか印象に残る体験でした。カーブが続く道をどう運転するか、同乗者としてどう過ごすか——このあたりはまた別記事で、ドライブ時の姿勢や疲労対策としてじっくり書いてみたいと思っています(お楽しみに!)。

まとめ

標高1,100mを超える山の上に鎮座する三峰神社。山道のドライブや石段と聞くと身構えてしまいますが、実際に歩いてみると、勾配の緩やかさや段差の均一さ、足場の良さといった条件のおかげで、思っていたよりずっと歩きやすい参道でした。家族みんな無理なく最後まで歩き切れたのは、正直うれしい誤算でした。

とはいえ、これは地形の条件や当日のコンディションが味方してくれた結果でもあります。神社や観光地によって、参道の勾配や段差の条件はさまざまです。「石段がある」と聞いただけで身構えすぎず、かといって油断しすぎず、その場所ごとの条件を見ながら歩くくらいがちょうどいいのかもしれません。体力に不安がある方や、ご高齢の家族と一緒に訪れる方は、今回紹介した歩き方のコツと、朝早めの参拝タイミングをぜひ参考にしてみてください。事前にこうしたポイントを知っておくだけでも、当日の安心感はだいぶ違ってくるはずです。

山の上の澄んだ空気の中でのお参りは、それだけで特別な時間になります。運がよければ雲海に出会えるかもしれませんし、そうでなくても十分に満足できる景色が待っています。ちょっとした小旅行気分で、ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。家族みんなで無事に登り切れた達成感も含めて、忘れられない一日になるはずです。

参考文献